文書翻訳を行うと、古今東西で使われるどの言語にも、その言語を話す人々の文化が埋め込まれていることに気づきます。言語の違いは、文化の違いによって起こるものなのです。
明治時代のエピソード
言語と文化の深い関わりが分かる、あるエピソードを紹介します。明治時代の日本、英語の授業を受けていた学生が「I love you」を「我レ汝ヲ愛ス」と訳しました。直訳すれば、その答えは不正解ではありません。
ですが、その時教師は「月がきれいですね」と訳すように指導したそうです。その教師とは、日本を代表する文豪・夏目漱石だったといわれています。その当時は「愛する」というよりも「慕う」「焦がれる」などの表現が一般的でした。愛する人と一緒に見る月はより美しく見える、という表現のほうが日本の文化に合っていたのではないでしょうか。
文化的背景を踏まえた翻訳を
文書翻訳とは、ただ別の言語に翻訳すれば良いわけではありません。その国の文化的背景を踏まえた上で、読まれることを考慮する必要があります。同じ状況や出来事であっても、全ての人が同じ部分に着目し、同じように表現するとは限らないのです。
例えば日本語には雨についての表現が豊富にありますが、雪についての表現は多くありません。
しかしカナダの先住民・イヌイットは、日常生活で馴染みのある、雪に関する語彙や表現を多用します。
このように言語の違いは、文化の違いから生まれたといっても過言ではありません。文書翻訳でクロスチェックが必要なのは、文化的背景を踏まえた翻訳を行うためでもあるのです。
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